2025.12.5
三島の名物イベントSHOGUN PITCH 2025に参加

事業と事業を創る人の数を増やします。
三島の名物イベントとなりつつあるスタートアップピッチイベント「SHOGUN PITCH 2025」。会場を埋め尽くした約300人の応援者と、テレビ東京「田村淳のTaMaRiBa」のカメラが見守る中、6人の“将軍”たちが、自分の人生と事業を丸ごとぶつけるピッチをしてくれました。
SHOGUN PITCH 2025とは何か
静岡県三島市のスタートアップスタジオ「LtG Startup Studio」(運営:加和太建設)が主催するビジネスプランコンテスト。
源頼朝が旗揚げした地・三嶋大社を臨む三島で、「Local to Global」を掲げ、地方から世界に通用する起業家を生み出すことを目的に開催。
2025年は6回目の開催で、12月5日(金)に三島市民文化会館ゆうゆうホールで実施、全国から選ばれた6組のスタートアップが登壇。
賞金や審査員ではなく、「出場者が必ず応援を受け取れる」ことをコンセプトに、地元企業・金融機関・自治体・メディアが総出で起業家を後押しする設計。
テレビ東京「田村淳のTaMaRiBa」と連携し、事前密着・当日収録・オンエアまで一気通貫で起業家の挑戦を届けるメディア連携型ピッチです。

「応援の力」を体現する場の熱量
会場は約300席が、三島・静岡のビジネスパーソンや学生、金融機関、行政、支援者といった「応援者」でびっしり。MCはEXILE TETSUYAさんらも関わる「田村淳のTaMaRiBa」チーム、ステージ上の演出も完全に「テレビ番組+リアルイベント」のハイブリッド。
公式サポーターには、加和太建設 河田社長、三島信用金庫 高嶋理事長、静岡銀行ベンチャービジネスサポート部 恩田さんなど、地元を代表するプレイヤーが名を連ね、コメントや応援表明もガチンコ。
僕自身(SVSA篠原)もコメンテーターとして参加し、「地方×スタートアップ」「三島×静岡全域」の接点を意識しながらコメントをさせてもらいました。
6人の「将軍」たちが見せたストーリー
ピッチは単なるプロダクト説明ではなく、「なぜあなたがやるのか(Why you?)」に徹底的に向き合ったストーリーが印象的でした。
株式会社オカラテクノロジズ(OKARAT TECHNOLOGIES)
代表:上田 将大
豆腐製造の過程で年間約70万トン生まれる「おから」。そのうち、食べられているのはわずか1%と言われています。
低糖質・高たんぱく・食物繊維たっぷり——本来は“お宝”であるはずのおからが捨てられている現状に対し、「おからをお宝に」を掲げて立ち上がったフードスタートアップです。
グラノーラやクッキーなど、日常に取り入れやすい自然派食品として商品を開発・製造・販売し、「健康価値の提供」と「フードロス削減」の両立を目指しています。筋トレ×おから×スタートアップという掛け算も含めて、会場の記憶に強く残るピッチでした。
株式会社モーンガータ(MONGATA)
代表:田中 寿典
日本では、化粧品ユーザーの約86.3%がコスメを使い切れずに廃棄し、研究所・工場・店舗での在庫やテスター廃棄には年間1,000億円超の処理コストがかかっているとされます。
モーンガータは、「身に着けて美しくなる」「気持ちが高まる」という化粧品本来の魅力を活かしつつ、廃棄化粧品を再生する7期目のスタートアップです。
特許技術「magic water」で、使い切れなかったコスメを塗料や素材にアップサイクルし、雑貨・アート・建材・街づくりに活かす新たな循環モデルを構築中。
「化粧品を奉納できる場所」「三島をコスメ活用のモデルシティに」といったビジョンは、会場の高校生からのコメントも含め、多くの共感とアイデアを呼んでいました。
Quickry株式会社(クイックリー)
代表:坪井 勇介
行列・待ち時間は、利用者にとっても店舗にとってもストレスであり、機会損失の原因にもなります。
クイックリーは、「待たされる」を終わらせるスマート整理券サービス「Quickry」を提供。
加盟店は完全無料・半自動運用で導入でき、順番待ちを収益化できるのが特徴。ユーザーはどこからでも整理券を発行し、待ち時間中に周辺施設の情報や特典を受け取りながら、街の回遊を楽しめます。
実証を積み上げる中で、「行列のストレス」を「地域の売上」と「観光回遊性向上」に変えていく可能性を感じさせる、非常に実務的かつスケールを意識したピッチでした。
株式会社HELPUSH(ヘルプッシュ)
代表:寺田 ユースケ
HELPUSHは、移動に不安を抱える人の「プライスレスなお出かけ」を叶え、人生の行動範囲を広げる外出支援サービスです。
対象は障がいのある方だけでなく、高齢者、ベビーカーを押す保護者、ケガなど一時的に移動が難しい方など、多様な「移動困難者」。
まちなかのバリアを可視化するマップアプリで外出前の不安を軽減し、駅前などの拠点でサポーターと合流することで、移動中の不安も解消します。
自身の障がいの経験、日本一周の旅、引きこもりからの再スタート、家族の存在——人生の「総集編」を事業にぶつけたピッチは、まさに「Why you?」に胸を張って答える内容でした。
yomiyomi(読み読み)
代表:仲村 怜夏
yomiyomiは、“忘れたくない”をカタチにする記憶のプロダクトブランドです。
スマホの中に膨大に溜まった写真・動画が、ほとんど見返されることなく埋もれていく現代に対し、「モノに記憶を宿す」ことで、ふとした瞬間に思い出がよみがえる新しい記憶のあり方を提案。
第1弾プロダクト「思い出召喚ステッカー」は、スマホをかざすと1秒で動画が立ち上がるデジタルステッカー。ギフト、音楽イベント、建築現場の記録、採用・自己紹介など、BtoC・BtoB問わず広がりのあるプロダクトです。
亡き父との記憶がこの事業の源泉になっているストーリーと、「記憶が人生のお守りになる」というメッセージに、会場の空気が一段深くなったのを感じました。
RIDE DESIGN(ライドデザイン)
代表:濱田 浩嗣
RIDE DESIGNは、モビリティを中心に、ロボットや先端技術分野も含めたプロダクトデザインと、社会課題解決型プロジェクトを推進するデザイン会社です。
国際大会に参戦したレーシングライダーとしての経験と、大手スポーツメーカーでの商品開発経験を併せ持ち、「軽くて強い」プロダクト設計を得意としています。
現在開発中のEVバイク「LunaRider(ルナライダー)」は、災害現場での救援用途を想定しつつ、月面走行までも視野に入れたマシン。NASA経験者が宇宙工学アドバイザーとして参画し、「月面のような極限環境でも走れるなら、地上のどんな現場にも役立つ」という逆算発想で開発が進んでいます。
実機がステージに上がった瞬間、「このバイクが本当に月面を走る日を見たい」と心から思わせてくれるプロジェクトでした。
6社とも、単なる「良いアイデア」ではなく、
自分自身の人生や原体験、
社会課題への視点、
三島という「応援のまち」との接続
が一本のストーリーとしてつながっていました。
三島という「応援のまち」がつくるエコシステム
登壇者はSHOGUN PITCH当日だけでなく、8月の三島ツアー&ワークショップ、9〜11月の密着取材を通じて、まちを歩き、企業・観光協会・市役所・金融機関と実際に接点を持ちながら事業アイデアを磨いてきています。
三島市観光協会がヘルプッシュとタイアップの可能性を語るシーン、三島市役所職員がオカラットとの連携に前向きなコメントをする場面など、「感想」で終わらない前のめりな対話がそのまま全国に発信されているのは、かなり稀有な光景です。
会場から飛び出した高校生の一言が、モンガタの新サービス案になりそうな提案になっていたり、「応援席」からも事業が前に進む場になっていました。

SVSAとして感じたこと
一人ひとりの起業家が、自分の人生を丸ごとビジネスにぶつけている姿に、何度も心を揺さぶられました。
特に、月面を目指すEVバイクのピッチのときには、「このマシンが本当に月面を走る日がきたら、静岡・三島の歴史にとってどれだけ大きな意味を持つだろう」と想像して、テンションが上がりっぱなしでした。
一方で、これは三島だけの話ではなく、静岡全体のエコシステムの話です。
三島で生まれる事業が静岡市・浜松市・県全域のプレイヤーとつながる導線。
SHOGUN PITCHと、コクリ・SHIP・各種アクセラなど県内のプログラムが相互に人材・案件を行き来させる仕組み。
SVSAとしては、県内各地の育成・支援プログラムをつなぐ“ハブ役”を、これまで以上に担っていきたいと強く感じました。
おわりに:三島から世界へ
SHOGUN PITCH 2025は、
「誰が世界を変えるのか?」という問いに対して、
6人の起業家が、それぞれの人生と事業をもって真正面から答えた夜でした。
事業と事業を創る人の数を増やします。
三島から世界へ——SHOGUN PITCHをきっかけに生まれたご縁を、静岡全体の挑戦の連鎖につなげていきたいと思います。
