2025.10.11
静岡県のスタートアップ支援が本格始動!2025年度から最大4000万円の補助金制度がスタート

静岡県のスタートアップ支援が本格始動!2025年度から最大4000万円の補助金制度がスタート
静岡県が2025年度(令和7年度)から、スタートアップ企業の成長を強力に後押しする新たな支援制度を開始します。鈴木知事が肝いりで進める静岡県「ファンドサポート事業」では、県内に事業所を置くスタートアップ企業に対して最大4000万円の資金を交付する画期的な制度が始まります。
既に認定VCの第1期募集プロセスが完了し、9月下旬の結果発表を控えています。
VC認定プロセス(完了済み)
募集期間:2025年7月8日〜8月15日 ※募集終了
審査方法:書類選考+オンライン面談
結果発表:9月24日に令和7年度静岡県認定ベンチャーキャピタルが正式決定
新制度の概要
2025年2月10日に発表された静岡県の新年度当初予算案では、スタートアップ支援事業費として6億8000万円が計上されました。これは前年度比約2.75倍という大幅な増額です。
この新制度は、静岡県が投資会社(ベンチャーキャピタル)と連携し、県内に事業所があるスタートアップ企業に対して支援を行うファンドサポート事業です。具体的には、県が認定する投資会社から投資を受けた場合、その投資額と同額(上限4000万円)を県が交付します。浜松市についで都道府県レベルでは全国的にも新しい試みとなります。
ファンドサポート事業が静岡県全体に波及し、浜松市以外の静岡県内に立地する(立地を予定する)スタートアップにも恩恵が広がることになります。
鈴木知事は東京都内で開催されたセミナーで、この制度について次のように語っています。
「VC(投資会社)にとっては投資リスクが軽減できる。スタートアップにとっては資金を獲得しやすくなる。県から交付金が入ることで信用力が飛躍的に増す。静岡県にとっては有力なスタートアップを誘致できる。(企業と県と投資会社)3者がウィンウィンウィンの関係になる」
事業の仕組みと特徴
ファンドサポート事業は、県が認定したベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けたスタートアップに対して、県が追加で資金を交付する仕組みです。
具体的には以下の特徴があります。
最大4,000万円を上限に交付金を提供
県内に本社または主たる事業所を置く中小事業者が対象
シード枠(起業から5年以内で研究開発を実施する企業)と一般枠を設定
スタートアップ向け申請(進行中)
募集期間:2025年10月1日〜11月12日(スタートアップ向け公募期間)
審査・採択:12月中旬に審査審査・対面審査実施、12月下旬に採択通知予定
交付時期:2026年1月〜3月に資金交付予定
制度の詳細と特徴
静岡県の「ファンドサポート事業」は、県が認定するベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けたスタートアップに対して追加資金を交付する仕組みです。
交付内容
シード枠
交付率:
全体事業費の2/3(認定VCから受ける出資額の2倍以内)上限額:1,000万円
対象:起業から5年以内で研究開発を実施する企業
一般枠
交付率:
全体事業費の1/2(認定VCから受ける出資額と同額以内)上限額:4,000万円
対象:県内に本社または主たる事業所を置く中小事業者
※各枠の交付は1回限り
付帯支援
専門家アドバイス
静岡県内におけるマッチング支援
財務管理体制強化(経理指導、定期検査)
対象要件と申請条件
基本要件
県内に本社または主たる事業所を置く中小事業者(登記必要)
2025年4月1日~2026年3月31日の期間内に認定VCから出資を受けること
対象事業分野
次世代産業関連プロジェクト(ファルマ、CNF、MaOI等)
県内企業との協業や地域課題解決に資する分野
追加要件
一般枠: 2年以内に県内事業所で正社員新規雇用または役員新規配置
シード枠: 起業から5年以内で研究開発実施
この事業は「静岡県スタートアップ支援戦略2025」の一環として実施されており、県は2025年度予算として前年度比2.8倍の6億8000万円を計上しています。ベンチャーキャピタル、スタートアップ、静岡県の三者がWin-Win-Winの関係を築く革新的なスキームです。
三者のメリット
スタートアップ: 資金調達の促進と社会的信用力向上
ベンチャーキャピタル: 投資リスクの軽減
静岡県: 有力スタートアップの誘致と県内投資マネーの呼び込み
詳細情報:ファンドサポート事業公式サイト
認定VC
No. | 認定VC名 | 区分 |
|---|---|---|
1 | 静岡キャピタル株式会社 | 地域系VC |
2 | イーストベンチャーズ株式会社 | 独立系VC |
3 | ザシードキャピタル株式会社 | シード特化 |
4 | 株式会社マーキュリアインベストメント | 独立系VC |
5 | 愛知キャピタル株式会社 | 地域系VC |
6 | D4V合同会社 | 独立系VC |
7 | 株式会社ゼロワンブースターキャピタル | アクセラレーター |
8 | クオンタムリープベンチャーズ株式会社 | 独立系VC |
9 | 株式会社ANOBAKA | 独立系VC |
10 | 栖峰投資ワークス株式会社 | 独立系VC |
11 | 地域と人と未来株式会社 | 地域系VC |
12 | ベータ・ベンチャーキャピタル株式会社 | 独立系VC |
13 | 株式会社コロプラネクスト | CVC |
14 | 名南ベンチャーファンド | M&A系 |
15 | W株式会社 | 独立系VC |
16 | UntroD Capital Japan株式会社 | 独立系VC |
17 | アグリビジネス投資育成株式会社 | 特化型VC |
18 | epiST Ventures株式会社 | 独立系VC |
19 | PARTNERS FUND株式会社 | 独立系VC |
20 | 株式会社ディープコア | AI特化 |
21 | 株式会社環境エネルギー投資 | 環境特化 |
22 | NOBUNAGAキャピタルビレッジ株式会社 | 地域系VC |
23 | SBIインベストメント株式会社 | 大手VC |
24 | Plug and Play Japan株式会社 | アクセラレーター |
25 | 株式会社TNPスレッズオブライト | 独立系VC |
26 | 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社 | CVC |
27 | レオス・キャピタルパートナーズ株式会社 | 独立系VC |
28 | 株式会社Dual Bridge Capital | 独立系VC |
29 | 信金キャピタル株式会社 | 金融系VC |
30 | スパークル株式会社 | 独立系VC |
31 | i-nestcapital株式会社 | 独立系VC |
32 | NES株式会社 | 独立系VC |
33 | イノベーション・エンジン株式会社 | 独立系VC |
34 | 株式会社先端技術共創機構 | 技術系VC |
35 | 株式会社サムライインキュベート | シード特化 |
36 | OASIS FUND有限責任事業組合 | ファンド |
37 | 株式会社ベンチャーラボインベストメント | 独立系VC |
38 | 農林中金キャピタル株式会社 | 金融系VC |
39 | Fujiyama Bridge Lab Fund | ファンド |
40 | 千葉道場ファンド | ファンド |
41 | STATION Ai 1号有限責任事業組合 | 地域系ファンド |
42 | Carbide Ventures | 独立系VC |
43 | Gazelle Capital株式会社 | 独立系VC |
44 | SMBCベンチャーキャピタル株式会社 | 金融系VC |
45 | ON&BOARD株式会社 | 独立系VC |
46 | 株式会社AKaFUJI | 地域系VC |
出典:静岡県ファンドサポート事業「認定VC」公式ページ(令和7年度・申請順)。
目的と期待される効果
ファンドサポート事業には以下のような目的と効果が期待されています
スタートアップの資金調達の課題解決
県外からのスタートアップ誘致の促進
県外の投資マネーを県内に呼び込む
2028年度までに県内スタートアップ拠点数60を目指す
山家氏(静岡県担当者)によれば、この取り組みはスタートアップ、VC、静岡県の三者にメリットがあるとされています。スタートアップは資金調達がスムーズになり、VCは自治体を介してリスク軽減ができ、県は首都圏に偏りがちな投資を県内に呼び込めるとしています。
浜松市のファンドサポート事業との関連
静岡県の取り組みと並行して、浜松市も独自の「ファンドサポート事業」を実施しており、県市連携によるスタートアップ支援体制を強化しています。
浜松市のファンドサポート事業は
最大4,000万円の交付金を提供
認定VCは2023年時点で54者(2019年の9者から6倍に増加)
事業開始後、スタートアップ進出数が年間1〜2社から15〜20社に増加
地域での資金調達額が年間約50億円に達した実績がある
静岡県は浜松市の成功事例を参考に、県全体でスタートアップエコシステムの構築を目指しています。
浜松市の制度概要(2025年度)
第1期公募: 2025年9月1日~10月10日(進行中)
第2期公募: 2025年10月以降予定
支援規模: シード・R&D枠1,000万円、一般枠・デット枠各4,000万円
静岡県のスタートアップ支援戦略
静岡県は2023年9月に「静岡県スタートアップ支援戦略」を策定し、将来の雇用、所得、財政を支える新たな担い手となるスタートアップへの支援に取り組む姿勢を明確化しました。現在約180社のスタートアップを2028年度には260社に増やす目標を掲げています。
静岡県スタートアップ支援戦略の概要
県内で新たなスタートアップを創出・育成する
県外からスタートアップを呼び込むための環境を整備する
学生自身がアイデアを考え、それをビジネスにつなげる機会を提供する
特に東部伊豆地域への首都圏からのスタートアップ誘致に注力する方針を鈴木知事は表明しています。
静岡県のスタートアップ支援戦略全体
ファンドサポート事業は静岡県のスタートアップ支援戦略の中核を担っています。この戦略は以下の4つの柱で構成されています:
創出(種まき):起業家教育、新ビジネス創出支援
育成(成長支援):ノウハウ提供、ファイナンス
連携(コミュニティ):ネットワークハブ、コミュニティ形成
誘致(呼び込み):環境整備、首都圏等と県内の橋渡し
2023年9月に策定された当初の戦略から、2025年版では「誘致」の柱が新たに加わり、VCと連携した資金調達支援がこれらの施策を後押しする形となっています。
静岡県のスタートアップエコシステム
静岡県では、県と市町が一体となってスタートアップエコシステムの構築を進めています。豊かな自然環境や産業基盤を活かしながら、新たなビジネスの創出を目指しています。
2025年2月12日には東京都内で「静岡県企業立地・スタートアップ誘致セミナー」が開催され、鈴木知事によるトップセールスが行われました。セミナー後の懇親会では参加者と鈴木知事との名刺交換に長い列ができるなど、静岡県のスタートアップ支援への関心の高さがうかがえます。
一般社団法人静岡ベンチャースタートアップ協会(SVSA)の役割
2024年4月に設立された一般社団法人静岡ベンチャースタートアップ協会(SVSA)は、静岡県内のスタートアップ支援において重要な役割を担っています。SVSAは「挑戦の地『静岡』から、その一歩が世界を変える」をミッションに掲げ、県内のスタートアップ企業を支援しています。
設立背景と狙い
静岡県ではスタートアップエコシステムが地域ごとに分散し、若年層の都心流出が課題となっていました。SVSAはこれらの課題を解決するため、県全域の支援ネットワークを統合し、「オール静岡」体制で支援基盤を整備しています。
主な活動内容
SVSAの主な活動は以下の通りです
若年層向けアントレプレナーシップの推進を中心に関連イベントの企画や開催
静岡県内およびゆかりのある経営者が率いるスタートアップを審査を通じて認定
スタートアップ向けの人材発掘と育成
スタートアップ支援策の啓発、経営支援、社会課題解決プログラムの設計
政策提言
スタートアップ資金調達手法の開発や情報共有プラットフォームの提供
組織体制
SVSAは県内企業経営者や支援機関の代表者12名が理事を務めています。初代代表理事は前浜松市長の鈴木康友氏が務め、2024年5月の県知事選で「スタートアップ先進県」を公約に掲げ当選しました。現在は2代目理事長である篠原豊氏が知事からのバトンを受け継ぎ、しっかりと県内でスタートアップ支援の取り組みを進めています。
申請に向けた準備
事前相談の活用
実施期間: 2025年8月6日~9月30日(終了済み)
実施方法: オンライン個別相談
事業説明動画も公開中
必要な準備
認定VCからの出資確保
対象事業分野への適合性確認
県内事業所設置(予定)の準備
事業計画書の作成
今後の展望
静岡県は「スタートアップ先進県」の実現に向けて、様々な支援策を展開しています。鈴木知事は「これまで(浜松市長時代に)積み上げてきた知見・経験を生かしてスタートアップ施策を全県に展開することとあわせて、各市町も熱心に取り組んでいる企業誘致などを市町と共に連携してしっかり取り組んでいきたい」と述べています。
SVSAは3〜5年で500社のスタートアップ誘致・育成を目標としており、現在の約180社から大幅な増加を目指しています。2025年度から始まる最大4000万円の資金交付制度を中心に、県内産業の活性化と新たな雇用創出が期待されます。
革新的なビジネスアイデアを持つ起業家にとって、静岡県はますます魅力的な選択肢となりそうです。県の積極的な支援策が実を結び、多くの成功事例が生まれることを期待したいと思います。


